裸眼3DTVとGoogleTV
ちょっと遅いが、TVに関して興味ある出来事があったので書いてみる。
・裸眼3DTV
東芝が裸眼3DTVをCEATEC JAPAN 2010で発表した。年末には
20インチ(実売24万前後)、12インチ(12万前後)を発売するらしい。
インテグラルイメージング(光線再生)方式と、垂直レンチキュラーシートを
組み合わせたもの。
簡単に言えばインテグラルイメージングというのは、1画素を立体データに
なるように9画素に増やす方式。垂直レンチキュラーシートはまあ視差バリア
のようなもので9画素に増やした光を一定の方向のみに光が飛んでいき
その方向の光のみ見えるようにガイドするようなものだろうか。
この方式のメリット・デメリットは、以下の通り。
■メリット
・メガネなどの補助器具が要らない。
・ある程度の人数であっても同時に視聴可能。
■デメリット
・1画素を9画素に見せるため、画素的には9倍のパネルが必要。一昔のSD画質
ならともかく、現在のHD画質だと、膨大な画素が必要となってしまう。
東芝の発売するものも、なんとかHDではあるものの、1280X720画素相当であり、
フルHDではない。
・視野角(見える角度)が30度前後しかないので、ほぼ正面以外では効果が
なくなってしまう。
・2D映像でも、見える画素は3Dと同じ解像度となってしまい、
多くの画素が無駄で無意味になってしまう。
極端に言えば9枚分のパネル画素がありながら、3Dであれ、2Dであれ、
その画素の多さのメリットが受けられないということ。
・コストがかかりすぎて、低価格にはなりにくい。
必要なパネルに画素が多く必要(約9枚分のパネルのコスト)
1画素を9画素に変換するための処理プロセッサが必要。
東芝の場合、PS3と同じCELLプロセッサを使用して力業で変換している。
垂直レンチキュラーシートを高精度でパネルに貼り付ける工程が必要で
これもコストが高い原因となる。
・大型TVには採用されにくい
参考として50型辺りのを展示していたようですが、大型になるにつれて
さらにコストがふくらむため、かなりの高額製品になりそう。
・他社が同じ方式で出すのはほとんど難しい
競争による、低価格化は期待出来ない。
将来的には裸眼になるだろうけど、今のままでは単に高額な商品で終わりそう。
優れた技術があっても、それを普及できるかはまた別問題だし。
・GoogleTV
アメリカで秋に発売のようですが、言わば、インターネットとのシームレスな
TVらしいが、どんなもんかは?
TVハード自体はかなり安く売る模様だが、一般の人がインターネット使いながら
TVをみるかというと、そんな使い方はしないだろうと思う。
まず大きな画面にそういった情報を表示しようとするとどうしても画像は
小さくならざるを得なくなるのが問題だろう。
現行の地デジの番組情報も見ている人はどれくらい居るのか疑問だし。
単にTVの見方を変えていくという点では歓迎したい点も多いのも確かだが。
ながら見が多い日本ではちょっと普及しにくいような気がする。
単にノートパソコンを横に置いて個別に使用するか、PCにTVチューナー
追加して、PC上でそういった連携出来るようなソフトを開発して配布した方が、
よっぽどいいのでは?と思う。
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